「指定価格制度」家電業界のこれは知らないと損する!?

家電業界で2020年から始まっていた「指定価格制度」を知っていますか?
今後どんどん広がるかも?
今のうちから知っておかないと損するかもしれません。

目次

指定価格制度とは

指定価格制度とは、メーカーが指定した価格で販売を行ない、店舗主導による値下げや在庫処分時の値引き販売ができなくなる制度。

これにより、小売業者はその価格を変更せずに販売しなければなりません。
一方で、メーカーは販売店の在庫リスクについて責任を持ち、売れ残った商品の返品も可能にする仕組みで、返品を可能にしています。
返品を可能にすることで、メーカーが販売価格を決定することを禁止する独占禁止法には抵触しないということです。

店舗は安売りできないけれど、売れ残ってもメーカーに返品できることでリスクが軽減し、在庫処分セールをする必要がなくなります。

パナソニックが先行し、日立も導入開始

この制度は、2020年にパナソニックが開始した制度と言われています。
ナノケアドライヤーやドラム式洗濯乾燥機で試験的な運用を開始し、2022年度には対象商品を拡大。
現時点で、国内白物(しろもの)家電の約3割が指定価格制度による販売となっています。
先行したドラム式洗濯乾燥機では、販売金額の約8割が指定価格による販売だそう。
2024年度には、白物家電全体で5割にまで引き上げる計画とのことです。
パナソニックは家電量販店に対し、このような一部の家電の販売価格を指定し守らせています。
家電量販店はその商品を値引きできないので、消費者がいくら交渉しても値引きしてもらえません。

2023年10月からは、日立ブランドの家電事業を行なう日立グローバルライフソリューションズ(日立GLS)が、指定価格制度を導入。
日立GLSでは、今後1年間で、製品ラインアップの約10%を指定価格制度の対象にする目標を掲げているそうです。

指定価格制度を行う背景

白物家電は、家電量販店で値下げが前提となっていて、値崩れした販売価格を元に戻すためもあり、機能的にそれほど必要性がなくても、マイナーチェンジした新商品を投入するという状況になっているようです。
そうすると在庫処分という形で大幅値引きが行われて、メーカーや販売店の利益を圧迫。
たいして機能が変わっていないのならと、型落ちの値下げを狙って買う人も少なくない状況です。

こうした状況が進展すれば、価格競争はさらに激化し、メーカーや販売店にとっては、利益を確保することが難しくなります。
業界全体として、事業の健全性を維持できなくなるのは明らか。

「価値があるものを、価値に見合った価格で流通させることが狙いである」とパナソニックの品田CEOは語っています。

販売店・消費者のメリットとデメリット

「値引きができなくなる」ことで、私たち消費者にとってはデメリットしかないようにも思えますが、実際はどうなのでしょうか。

販売店にとっては、値崩れを過度に心配することなく、安心して販売ができ、商品が売れ残るリスクが無くなるのに加え、仕入原価を切った在庫処分が不要となるメリットがある。
値段で他店との差がつけられない分、接客力やアフターサービスによる差別化を図ることが可能になる、とも言われています。

一方、消費者にとっては、値引き交渉ができなくなり、特別価格では購入できなくなるという点ではデメリットかもしれません。
だが、値引き交渉のために複数の店舗を回らなくて済むこと、同一の購入価格でアフターサービスが充実した店舗や、自宅に最も近い店舗を選択することができるといったメリットが想定される。

どうなんでしょう。
メーカー側が仰ることはごもっともですが、私は元々、複数店舗を回ったりしないので、値引きされている方が嬉しいんですけど。
大手家電量販店なら、アフターサービスは既に充実していますしね。
消費者にとってのメリットはあまり感じられないような気がするのは、私だけでしょうか?

でもこれで、「メーカー希望小売価格」の表示の意味がわかったような気もします。

ちなみに、日立のドラム式洗濯乾燥機は、2022年に発売した当初の市場想定価格が44万円前後であったのに対し、今回発売の同シリーズは、37万円、33万円前後と発売時の価格を下げている傾向にあるそうです。

一概に「値引きできない指定価格制度」というのではなく、販売設定価格を下げて貰えるのなら、マイナスなことばかりとは言えなそうです。

実際に家電量販店で見てみました

前述のことを踏まえ、家電量販店を見て来ました。

目安として、プライスカードの価格の数字の部分に付いているコメントを見ていきたいと思います。

更にお値引きいたします。価格は販売員まで!

価格は販売員にご相談下さい

コメントなし

以上の3種類がありました。

ドラム式洗濯機を例に挙げます。

指定価格制度をしていないSHARPNEWモデル
「更にお値引きいたします」
「更に」ってことは、この価格は既に値引きされてるってことよね。
相談したらもっと安くしてくれるんですね。

指定価格制度をやり始めた日立
「更にお値引きいたします」
旧モデルのようです。
購入特典も付くんですね。

これも日立ですが、この商品はNEWモデル
「価格は販売員にご相談下さい」
相談したらどうなるのでしょうか?
この価格は値引きされてないってことですよね。
ちなみに価格.comで見たら、どこも223,000円か224,000円(税込)でした。

指定価格制度の先駆けのパナソニック
旧モデルなのか「価格は販売員にご相談下さい」
が付いていました。

そしてパナソニック新製品
コメントなし!堂々としてますね笑
「値引きはいたしません!」の雰囲気を醸しています。

このように、パナソニックと日立の2社に関しては、旧モデルは値引きがあったり、ご相談すれば安くなるのかも?という感じですが、新製品は値引きなしのようです。

電子レンジも見てみましたが、日立は「更にお値引きいたします」が付いていましたが、パナソニックは値引きなし!
商品にもよるのでしょうが、日立は緩めなのに対し、パナソニックは堂々と「値引きいたしません」スタイルを出しているように見えました。

販売店が値引きできないようにするこの制度、今は、パナソニックと日立だけですが、今後は他のメーカーも追従する可能性もあります。
新製品が出る頻度も少なくなるようで、販売店にとってもメリット、デメリットがあるようですね。
今後の動きに注目です。


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この記事を書いた人

バツイチのアラフィフです。
現在は派遣で証券会社で働いています。
何にでも興味を示し、知識は広く浅くがモットー。気になったことはすぐに調べたい性格。
せっかちな江戸っ子です。
細かく文章を書くのが苦手なので、寛大なお心で読んでいただけたらと思います。

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