ACのCMがたくさん流れる理由。そもそもACジャパンとは?

テレビCMで耳にする「♪エーシー」「ACジャパンはこの活動を支援しています」のフレーズ。
ACジャパンとはいったい何者なのでしょう?

目次

ACジャパンとは?

東日本大震災の時、テレビCMの殆どが「♪エーシー」に切り替わってしまったことは記憶にあると思います。
あの時に「ACジャパン」の存在を知った方も多いのではないでしょうか?
私もその一人です。

組織概要

ACジャパン(エーシージャパン)は、1971年、サントリーの当時の社長、佐治敬三氏によって提唱された、広告を通して公共マナーや環境問題など、さまざまなテーマで社会にメッセージを発信する公益社団法人です。
ACは、 ADVERTISING COUNCIL JAPANの略です。
広告業界の企業や広告主、広告代理店、メディアなどが加盟し、そのメンバーからの会費などで資金を得ています。

政府や公的な機関が運営や助成をしている団体ではなく、税金も使われていません。

ACジャパンの活動は、民間企業や団体が持てる資源を少しずつ出し合い、社会にとって有益なメッセージを広告という形で発信するCSR(Corporate Social Responsibility)活動です。

広告審査

ACジャパンは、広告が社会的な規範や法令に適合し、一般の良識に合致しているかどうかを審査します。
審査の対象となる広告は、会員企業や一般から寄せられた苦情や意見、または自らの発見に基づいて審査されます。

審査委員会

ACジャパンには、様々な業界や立場の専門家で構成される審査委員会が存在します。これらの委員会は、審査基準に基づいて広告を審査し、問題がある場合には改善を促します。

広告基準とガイドライン

ACジャパンは、広告倫理に関する基準やガイドラインを策定し、業界に公表しています。
これらの基準に適合しない広告は是正を求められることがあります。

啓発活動

ACジャパンは、一般の人々や広告関連の企業に向けて広告倫理や広告の役割に関する啓発活動を行います。
また、広告業界全体の品質向上や倫理意識の醸成に寄与するための様々なイベントやセミナーも開催されています。

ACジャパンは、これらの活動を通じて広告業界の信頼性を高め、社会的な期待に応える広告環境の構築に寄与しています。

ACジャパンはこの活動を支援しています

ACジャパンが支援している活動には、次のようなものがあります。

  • 国連WFP協会
  • 全国こども食堂支援センター「むすびえ」
  • あしなが育英会
  • 骨髄バンク
  • プラン・インターナショナル

ACジャパンの活動の仕組み

ACジャパンは、民間企業の会員社と一般生活者の個人会員の協力によって運営されています。
活動資金はすべて会員社と個人会員の会費によるもので、公的な資金は一切受けておりません。
会員社は広告に関連する3つの業種の約1000社から構成され、それぞれの立場からACジャパンの活動を支えています。委員会には、会員社から延べ300人近い方々が、企業の社会貢献活動の一環としてボランティアで参加しています。

公益社団法人ACジャパン

多くの企業・団体が、会費の提供をし、ACジャパンの運営や広告制作に関する委員会に参加しています。

メディアによる、放送・掲載枠の無償提供

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネット、プロモーションメディアなどのメディア会員社が持つ、広告枠の無償提供により、ACジャパンの広告が放送・掲載されています。

ACジャパンのCMが増える理由

企業が不祥事を起こすと、その企業がACジャパンに加盟している場合、CMがACジャパンのものに差し替えられることがあります。
テレビ局には、ACジャパンから正規のCM料が入ります。
その料金は元々のCMを出している企業がACジャパンに支払います。

ACジャパンのCMはあらかじめ放送局にお納めしておき、放送局のご判断で適宜放送していただく仕組みとなっています。 
震災等の有事の際は、様々な理由で一般企業様がCM放送を自粛されることがあるため、その代わりにACジャパンのCMが放送されていると考えられます。
出演者の不祥事でスポンサーが少なくなってしまった場合にも、ACのCMを急遽流したりするそうです。

震災直後には、ACのCMがあまりに繰り返し放送されるので、嫌気の差した視聴者からクレームも殺到したそうです。
また、CMに出てくる表現が時節柄ふさわしくないとのクレームを受け、途中よりAC側からテレビ局に放送自粛を要請した作品もあったようです。
結果的に震災発生から3週間を経て、ACで放送可能なCMは4本にまで絞られたとのことです。

確かに当時は、ほぼすべてといえるCMがACのものでしたね。
わけもわからず、不思議に思っていました。

今回不祥事を起こしたダイハツは、例年、お正月の三が日に大々的にCMを流しています。
ダイハツは、お正月のCM秒数ランキングで2位と言われています。

ちなみに1位は、キャベジンやキューピーコーワの興和です。


「ダイハツの大初夢フェア」というフレーズは聞き覚えがあるでしょう。
例えば今回の不祥事で、既にCM枠が確保してある、お正月のダイハツのCMがACジャパンのものに差し替えられたとしても、テレビ局にはちゃんとCM料が支払われるというわけです。

ですが、この件が長期化した場合、来年からは「正月はダイハツ」と当て込んでいた業界は痛手になるかもしれません。

ダイハツはトヨタの子会社ですから、今後、トヨタのCMが減るのではないかとテレビ局は危惧しているとも言われています。

まとめ

ACジャパンが、広告を通して公共マナーや環境問題など、さまざまなテーマで社会にメッセージを発信する公益社団法人だということがわかりました。
テレビで度々CMを目にする理由もわかった気がします。
今後はACのCMを観たら、違う視点になりそうです。

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この記事を書いた人

証券会社金勤務。社員、派遣で大手証券3社での勤務経験あり。
専業主婦経験は1年。バツイチのアラフィフです。
何にでも興味を示し、知識は広く浅くがモットー。気になったことはすぐに調べたい性格。
せっかちな江戸っ子です。
細かく文章を書くのが苦手なので、寛大なお心で読んでいただけたらと思います。

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